2024年4月 のんなだより🌸

のんな保育園6年目のスタートです。今年は桜の開花が遅く、高井戸駅付近の神田川沿いの桜は、昨日の暖かさで急に咲き始めました。子ども達がこれからの散歩で桜のトンネルをくぐることを思うと、今年も良いことがたくさん起こるような予感がしてウキウキします。

3月29日に巣立ったばかりの卒園児たちが、新しい保育園、幼稚園で個性を認めてもらい、否定されることなく、伸びやかに、ほがらかに、早く新しい友達と生活に慣れてくれることを願っています。そして近況を知らせていただけたら嬉しいです。

【のんなの保育】パーソナリティー(人格)形成を大切に

①情緒
対人関係の中で思いやり(共感性)が最も重要と考えます。相手の想いを感じとる能力を育むことは、自分自身が思いやりのある人々に囲まれ、大切に育つことです。

②自主性(自発性と自律性)
自己主張は好奇心に基づいて育ち、意欲は創造性の芽生えを生み出します。
“いたずら”は子どもの好奇心から出るもの。叱るのではなく、それをすることで困る人がいることを丁寧に伝え、自分で考えてもらうようにしたいです。
“けんか” 順調に自主性が育っている子は、けんかをすることで相手にも主張があることに気づきます(自己主張と自己統制の繰り返しによる葛藤を処理することで、自信を持ったり責任感も強くなります)。ですから失敗や混乱を責めずに見守るようにしています。

③適応能力
社会的適応能力は、家庭、園で秩序的に過ごし、約束やルールを決め、守ろうとする気持ちです。思いやり(相手の気持ちを汲む能力)と自主性が順調に育っていれば、それに伴い育つもので、命令(~しなさい)や圧力による“しつけ”ができていることではありません。信頼や愛情に包まれて育った、自己肯定感や自信が基本になります。

④知的能力
好奇心を盛んにすることが基で、子ども達が求めるときにその環境を準備することで、自主的に学び、その能力を発揮してくれます。決して文字や数字を教え込むことではなく、教え込むことは自発性の育ちを阻害することになりかねないと考えます。

以上4つの項目を人格形成の基として大切に考えますが、のんな保育園(0・1・2歳)では特に①と②が重要だと考えています。のんなでは自主性を防げることのないよう、できる限り命令、拒否、圧力を与えないよう努力しており、危険なこと、他者を困らせること以外は、どうすれば子ども達のやりたい気持ちに添えるかを考えます。できない場合はその理由を伝えて理解してもらったり、お願いすることもあります。互いに信頼関係にあれば真剣に考えてくれますので、叱る必要がないと思っています。しかし子ども達は大人をいらだたせる名人でもありますので、心がざわつくこともあります。そんな時は“これは正常に成長している証拠。あの赤ちゃんがこんな事もできるようになったのね”と心を落ち着かせます。保育(育児)は私たち大人を成長させてくれるものなのですね。日々変わる子ども達の成長の傍に居させてもらえることに感謝です。そして楽しい毎日です。

園長 原田京子

2024年3月27日 卒園カップ

3月に卒園するレモン組さんに、恒例になっているカップの記念品を贈りしました。今年度作った自分のアート作品の中から、自ら選んだ作品をオリジナルカップにしました。「カップにするから選んで」と頼んだのですが、皆ほぼ即決!とても素敵な作品が出来上がりました。

ちなみにアートの際は、絵の具は赤、黄、青、白、黒のみ用意しています。ということは、他の色はそれぞれが混ぜて作り出したザ・オリジナルの色なのです。時に激しく、時に優しく、実験するような線であったり、紙の上だけに留まらない川のような流れであったり、乾いて割れた色の下に秘密絵が隠されていたり。ただ「よく描けたね」だけでは言い尽くせない感動がありますね。

2024年3月 のんなだより🌱

夏日があったり雪が降る日があったり、ジェットコースターに乗っているような陽気の2月でした。3月はいよいよ春、花粉症の子もいて気の毒ではありますが、植物の芽吹きに心おどります。

春の訪れを喜ぶ時期は、レモン(2才児)さん達とのお別れの時でもあります。まだ歩けなかった子は、よちよち歩きの可愛い赤ちゃんになり、今では走り回ったり大型積木から飛び降りたり、トランポリンや鬼ごっこもするようになりました。「アーアー」と身振り手振りで思いを伝えていた子は、大人の言葉を繰り返すようになり、「~がほしい!」「~がしたい!」「いやだ!」「おいしい」「きれいね」などの単語を発するようになり、今では立派に会話が成立します。「きのうママとスーパーでお菓子買ったんだ!お金も払ったよ」「お父さんが運転して、お母さんと〇〇(妹)とお出かけした!」「ママとパパと公園に行ってお砂で遊んだら、お友達もいたよ」「2たす3は5だよ」と、指を出して教えてくれます。ABCの歌を歌ってくれたり、みかん(1才児)さんにスラスラ字を読んでくれる子、「これは何て読むの?」とカタカナを覚えようとしている子もいます。この一年間の成長の速いこと、わたしたち大人はついていけないほどです。

床に伏せて悔しそうに泣く子に「どうしたの?」と聞くと、「〇〇君が、ぼくが作った道を崩して三角にしちゃうんだよ!悲しい!」と言います。「話し合って一緒に作るのはどう?」と聞くと、「だってぼくは四角にしたいんだよ~」としゃくりあげながら言います。「そうか困ったね」と、しばらく抱いて泣くのに付き合い、落ち着いてきたので「そんなに涙を出したら体の水がなくなっちゃうよ。それに私が悲しかったよ」と言うと、少し恥ずかしそうに笑って、「じゃあ水いっぱい飲んでから泣くね」と冗談を言い、すっきりした顔で遊びに戻りました。相手の子も最初は絶対にゆずらない様子でしたが、泣かれて困っていたようです。二人は目を合わせてニッコリ笑い、四角とも三角ともつかない、ゆがんだ丸形の道を作って、その上を笑顔で走り回っていました。このように自分の意志を持って表現し、それが通らないことに落ち込んでは立ち直り、思いを譲りつつ友達と過ごすことを身につけています。

また、こんな女児もいました。おままごとでごちそうをテーブルに並べているときに、他の子が来てごちそうを下に落とし、自分の物を並べだしました。すると「だめだよ~落としちゃ!」と言いながら拾って別のところに行き、笑顔で他の子とジュースごっこを始めたのです。この子は自分の意志はしっかり持っていますが、争わずに別のことをみつけ、大人の対応ができます。お母様によると、家ではやりたいことは譲らず頑固な部分を出すことがあり、園での様子とは少し異なるようです。3才未満の子が、すでに家と社会での行動を使い分けられるのですね。これから100年近く生きていくでしょうに、まだ36ヵ月で色々なことを学んでいるのです。私たちは子供から毎日学ぶことばかりで、刺激を受け、楽しませていただいております。毎年のことながら、いままで一緒に過ごしてくれたレモンさん達に“ありがとう♡”、そして私たちに大切な大切なお子様を託して下さった親御様に感謝申し上げます。

私たちは卒園した子と似たようなことをする子がいると、「○○ちゃんも同じようなことをしてたね」と、よくスタッフ同士で懐かしんでおります。この先、お子様でもご自身でも、嬉しいことや自慢したいことがありましたら、メールででも教えてくださると嬉しいです。もちろん近くにいらした際は、ぜひお子様の成長した姿を見せてくださると幸せです。のんなで過ごした子たちの、すこやかな成長と幸せを願っております。

園長 原田京子

2024年2月 のんなだより⛄

澄みきった青空の下、日差しは強くても空気は冷たくて、まさに一年で一番寒い真冬です。毎日の散歩(外気浴)で色々な発見があります。「冷たいのがあったの!」と、子ども達が散歩から戻ると興奮した様子で伝えてくれました。4~5cmほどの霜柱を見つけ、皆で手にしてみたようです。今年はまだ雪が降ったり白く積もった様子は見ていないのですが、一度くらいは見たいものです。ご家族で雪国へ旅行し、そりで滑ったり個性的な雪だるまを作ったとのお話も伺いました。

みかん(1才児)さんが大きなブロックをバイク代わりに走り、友達とぶつかったりマットの上に乗り上げたときに「うわ~やばい、やばいよ~」、昼食時にはおかずを口に入れた途端に「うっま!うっま!」と発します。「え?おいしいの?」と聞くと「ウンおいしい!」、それを聞いたみかんさん達3人が、「ウッマ、ウッマ」と連発。お正月に会ったいとこのお兄ちゃん、お姉ちゃん達から学んだ言葉のようです。その場にあった場面で使いこなしています。テレビをつければすぐに「すばらしい!」「おいしい!」、珍しいときや感動した時に「やばい!」と言っているシーンが飛び込んできます。子ども達はすぐに自分のものにしてしまいますね。古くは「いとおかし」は趣のある言葉でしたが、今は違った意味で使われているし、「全然」も否定を伴う言葉でしたが、今では肯定を強調する際にも使われます。私には少し抵抗がありますが、言葉は生きていて変化しているのだと思います。ちなみについ最近、1才10ヶ月児が「オムツ替えましょうね」と言うと「出てない!ぜんぜん!」と言いながら逃げていきました。その言葉に“そうそう、正しい使い方よ”と内心ニンマリしましたが、どうみてもオムツはおしっこでパンパン、というオチがありました。

子ども達が親御さん達の携帯を上手に動かし見ていることがよくあります。今の子ども達は、昔の子ども達に比べてブルーライト(LED照明、パソコン、タブレット、スマートフォンなどからの光)を浴びる機会が多くなるので、健康への影響が気掛かりでしたが、保育雑誌に医学博士(うつみ先生)の記事がありました。人には朝はブルーライトが必要ですが(体内時計を動かし、脳と体を活発化させる)、夜には不要で、次のような影響があるといいます。

・夜遅くまでブルーライトを浴びる生活は睡眠障害を起こし、寝つきが悪い、眠りが浅いなどの現象が起こりやすい
・自律神経のはたらきを乱し、肥満、高血圧、糖尿病を引き起こすリスクが高くなる
・リズムが乱れると、イライラしやすくなる、やる気が出ないなど、精神面への影響が出やすくなる
・光の散乱を調節し、ピントを合わせようと目を酷使するため、目の疲れや痛み、肩こりなどを起こしやすくなる
・網膜の中心にある「黄斑」がダメージを受ける可能性があり、視力を低下させる

これらを回避するには、夕方以降はタブレットやスマートフォンをできるだけ見ないようにし、早寝、早起き、朝ごはんの生活習慣をつけることが大切とのこと。朝7時ごろには目覚め、朝食をとってほしいと私も願います。のんなの子たちは今すぐどうということはないと思いますが、これからの長い人生、ブルーライトをたくさん浴びるのだろうと思います。大人が上記のリスクを知り、子どもを守ってほしいと切に想います。

園長 原田京子

2024年1月 のんなだより🐉

明けましておめでとうございます。
冬らしく冷たい風が強いものの、青く澄みきった空が気持ちの良い元旦でした。子ども達はお祖父さま、お祖母さまにお会いして、周りの方々をどんなに幸せにしたことでしょう。いつもはあまり会えないおじさん、おばさん、いとこたち等、たくさんの親類の方々にお会いし、いつもの生活とは違った経験ができたのではないでしょうか。のんなとは異なった人間関係の中で、自分がどれだけ周りの人達に愛され、大切に思われているかを自覚し、自分のことを大切に思い、自信を持つようになるのだと思います。今年ものんなの子、いや世界中の子ども達が幸せでありますよう願います。

年明けから石川での地震で家屋が倒壊し、大勢の人たちが被災して、この寒空の下で辛い思いをなさっていると思うと胸が痛みます。また世界に目を向けると、決してあってはならない戦争を行い、子どもや弱者を犠牲にしています。一刻も早く終わらせ、平和な世界になってほしいです。のんなでは、昨年の暮れは感染症が流行り、休む子が多くいました。今年は病気での欠席が少なくなりますよう祈ります。

れもんさん(2才児)達の、のんな卒園後の行き先が、全員決まったようです。2才児から3才児への移行には、同じ園でも(乳児クラスから幼児クラスへと)担任数や部屋の雰囲気が変わるので、職員はたいへん気を使います。まして園そのものが変わり、すべてが異なる環境に行く子ども達と親御さんが不安になるのは当然です。以前卒園した方は、「初めはのんなとあまりにも異なるので、親子で面食らいました。子どもは割と早く友達ができることで慣れましたが、私(お母様)の方がのんなに帰りたかったです」と笑いながらおっしゃっていました。そうです、大人に大切にされ、どんな時もしっかり自分の思いを伝えられる自信を持った子は、多少環境が変わってもすぐに自分を取り戻し、その場に順応できるのだと思います。

先日(クリスマス前)、のんなを卒園して幼稚園に行った子がご両親と来てくださいました。9か月ぶりにお会いして、ちょっぴり恥ずかしがり屋さんなのは変わりませんでしたが、背が伸びて凛々しく、かっこよくなっていました。恥ずかしがりながらも笑顔で私にタッチしてくれました。今ではすっかり新しい幼稚園に慣れ、伸び伸びと生活しているとのことでした。このことは、サンタさんの存在を忘れていた私たちスタッフへのクリスマスプレゼントとなりました。卒園した子が元気な姿を見せてくれるのは、私たちにとって最高の喜びです。“人は信頼された分だけ成功する、大切にされた分だけ自信をもつ、認められた分だけ成長する”という言葉を、のんなのスタッフは信じています。れもんさん達との残り3ヶ月、自信に満ちて伸び伸び生活ができるよう、楽しく大切に日々を過ごしてまいります。

園長 原田京子