2020年6月1日 のんなだより☔️

爽やかな日があるかと思うと、蒸し暑い日もあり、安定しない陽気です。木々の芽が霧雨を含み、緑が濃くなり、力強さを感じます。今月は作物の成長に必要な雨降りが多くなりそうです。

先日、雨の降る中、傘をさして2才児と散歩に出ました。いつもは活発で、先へ先へと走り出すのですが、その日は慎重に歩き、雨に濡れないようスタッフの心配までしてくれるのです。咲き始めの紫陽花はピン!と立ち、花びら一つ一つがパン!と張っていて思わず触りたくなったようで、優しくポンポンと触れていました。また神田川を見つめ、いつも見ている鯉がいないと「お家に帰っちゃったかなー」と独り言…このように、いつもとちがった様子が伺え、愛おしさを感じます。

雨季は室内の遊びがじっくりできる時でもあります。一人一人のやりたい遊び(砂あそび、お絵描き、マット遊び、教具遊び、等)を満たすことができる良いチャンスだと思っています。少人数制の保育園ですので、一斉に遊びの提案をしたり約束事を押しつけずに、やりたい児がやりたい時に経験できたらいいと思っています。この月令児には特に、教え込んだり、無理に条件付け(「帽子を被らないと散歩に行けないよ」)ではなく、「散歩に行くから帽子を被りましょ」でよくて、もし嫌なら被らず、被った方がいいかなーと思うまで待つようにしています。人は愛してくれる人、尊敬できる人、憧れる人、要は好きな人がやっていたり見せてくれたり、伝えてくれたりした事は素直に受け入れたいものだと思っています。

2才児の親御さんの連絡帳から、“お家で「ごはんになるからそろそろ片付けようー」と言いながら今まで遊んでいたものを片付け始めたので、驚きました。保育園で教えてくれたのですね”とのことでしたが、のんなでは遊び中はなるべく子どもの邪魔をしないように、あまりすぐに片付けないようにし、踏んでは危ないような時はスタッフが何気なく片付けるようにしています。食事前には確かに「片付けましょうか」と言ってスタッフが片付けますが。一緒にやる児もいれば、いま持っている玩具をしまいに行くだけの児もいて、それでよいと思っています。きちんと片付けたり、大人の言う通りにやってくれることは大人にとって都合がよく、その児は“良い子”と思いたいものですが、誰だって嫌なことは嫌、やりたくない時だってあります。子ども達が納得してやるようになるまで待ちたいですね。

~ほっこりエピソード~

先日のこと、50才代の方でしょうか、男性が高井戸駅前歩道橋の階段を、箒とちりとりを持って清掃して下さっていました。私も綿ぼこりとゴミが気になっておりましたが、自分が清掃に行くほどの勇気はありませんでした。その方は黙々と清掃していらして、私がお礼申し上げると、ちらりと目を上げて下さり、特別のことではない…といった風でした。さりげなく公共の場を気持ちよくしてくださる方に感謝しながら毎日通っています。

2020年5月 のんなだより🎏

神田川沿いに並ぶ桜の木の青葉がそよ風に吹かれなびいています。昨年と同様、川沿いには“花咲かせ隊”が心を込めて色とりどりの花を咲かせてくれています。例年ですと近所の保育園児たちが行きかうこの通りが私は大好きで、“幸せの緑道”と思っています。ところが今年はほんのわずかの人通りで、新型コロナ感染拡大防止のためステイホームしているのでしょう。今はそれが一番いい事なのですが、悲しい限りです。

この3月にのんなから認可保育園に転園された方からメールがありました。入園してすぐに閉鎖され、ご両親が在宅勤務になったので、ご両親が交互に育児されており、“よい子育てのチャンス”と思ってらっしゃるとのこと。それにしても、“いつまで”という期限のわからない毎日ですと、“良いチャンス”とばかりは言っていられないことでしょう。お子様の世話をしながらお仕事をしなければならないのですから、どんなに大変なことでしょう。またある方は、お兄ちゃんお姉ちゃん達の学校が休みで家族が揃っているので、一日中“食事作り”をしている感じだと仰っていました。どんなに優しい家族でも、外にも出られずそれぞれがストレスを抱えてしまいますよね。どのご家庭も大変なのだろうと思います。

“子どもの一日は大人の一年に匹敵する”とある教育者が言っておりましたが、特に0、1、2歳児は午前と午後でもうすでに変化が見られ、その成長発達に目が離せないほど。私も日々その言葉を実感しております。今、世の保育園、幼稚園、学校が長い春休み状態、それも急に休みになったので、大人も子どももとまどったまま1ヵ月が過ぎてしまいました。なんともったいない日々なのでしょう。早く事態が収束し、保育園、学校が再開されるよう願うばかりです。今、世間では経済問題が取り沙汰されておりますが、新聞によりますと、それと同時に在宅勤務になり一日中家族が一緒にいることで摩擦が起き、DV・虐待が起き始めているとか… どうかどうか、世の子ども達の心に暗い影を落とすことにないように願っています。

今、私たち大人一人ひとりにできることは何かを考えて過ごしたいと思います。例えば敵は人間ではなくウイルスであることを認識し、医療従事者や在宅勤務ができずに他者のために働く人たちへ感謝するとともに、コロナウイルスに感染してしまった方々を思いやり、生還することを祈りたいと思います。

園長 原田京子

2020年4月 のんなだより🌸

桜の花が満開になりました。子どもたちが毎日のように散歩に出ている神田川沿いが一番はなやかになる季節です。まだほんの蕾のころ、太い幹から直接咲く花がかわいくて、子どもたちと一緒に見つけては喜んでおりました。その後に、太い幹から直接花がつく木は老木だと知ったのです。するとすぐ次の日に雪が降りました。3月末に東京で雪が積もるとは… けなげに咲く花をいとおしく思ったものです。

今年は卒園時期に桜が満開となりました。のんな保育園でも5名が巣立ちました。のんなでの生活経験が子ども達の幸せに繋がりますように願います。子どもは愛され、幸せになるために生まれてきたのです。2020年度の初めにスタッフ一同、これを心に刻み保育に臨みます。

子どもが愛されていると感じる時はどんなとき? 大人にどんな対応をされると心が満たされる? 大人同士が丁寧な言葉、振る舞いをしているのを見ることで何を感じる? 周りから大切にされることで、自分も他者も大切だと気づくのだと思っています。

のんなでは表現活動の一つとして、アート活動をしています。良い先生に恵まれ、子どもたちは目をキラキラさせながら取り組みます。決して上手になるために描くのではありません。自分の心、気持ちを素直に表現してもよいのだと思うことが目的です。自分の良さを知り、また、他者の良さも認めることができるようになってほしいのです。

園長 原田京子

2020年3月 のんなだより🎨

3月は春一番が吹き、中旬には桜の花が咲くと言われています。散歩に出ると若葉の息吹を感じ、春の自然を楽しみ始めました。とはいえ、周りでは新型コロナウィルス感染症が広がりつつあったり、この時期特有の花粉症(乳幼児でもあります)が流行りはじめたりで不安です。園としては、園内や玩具の清掃・消毒(アルコールで拭く)をしたり、子ども達の手をまめに洗うことに力を入れて参ります。

子ども達は2月4日に造形作家の浅羽聡美先生とのワークショップを経験しました。これは、子どもの行為にとことん寄り添うもので、部屋の床、周りを絵の具がたれてもOKなように養生することにはじまり、筆、ローラー、フライ返し、画用紙、ほか用具を準備しているときから、子ども達は少しずつ近付き用具を手にしながら、いつの間にかアーティストになっていました。聡美先生と初めて会った子がほとんどですのに、全く気にせずに当たり前のように近付き、用具に触れ、テーブルや床にペインティングをし、画用紙を渡しても捨てて黙々と個々の活動に集中します。聡美先生は笑顔で寄り添い、ほとんど言葉を発しません。子ども達の行動を見て用具をそばに置いたり、絵の具を足したり、使っていない物をどかしたりすると、子ども達は生き生きとした表情で自信たっぷりに描き、0才児が自分で“やめる”と決め、他の遊びに移って行き、また戻って来たりしていました。

普段私たちはつい「そうしたい?じゃこれでどうぞ!」「それをするとスベるからここで描きましょうね」等々、余分な言葉を発し、子ども達の判断、やりたい気持ちや集中を邪魔していることに気づきます。聡美先生が子ども達を無条件に受け入れているのが分かりました。午睡後にまた当たり前のようにアートコーナーに行き、ペインティングが始まりました。午前中の活動になかった黒の絵の具が加えられていると、0才児の一人がそれに気づき、床へ絵の具をポトポト落としながらその容器を私の所へ持って来たではありませんか。私は、ア~床が…と思いながらも、午前中になかった色があったことを私に知らせに来たのだと分かったので、「あら!黒もあったのね」と言うと、彼女はニッコリ! またポトポトこぼしながら戻って行ったのです。もし私が「絵の具はアートコーナーでやろうね!」と言ったら、感受性の強いその子は「ちがう!あなたに教えてあげたのよ!」と泣いて怒ったにちがいないのです。この一日の振り返りの中で、感動体験の一つでした。自分が興味を示したことを自分の意思で始め、自分の意志で終わりを決め、過ごすことで心が満たされ、一日の生活(食事、排泄、午睡)も大人が特に口うるさく言わなくても、いや言わない方がスムーズにいったのでした。普段、いかに大人が子どもに“こうしてほしい”と思いながら、大人の都合に合わせたいと願っているかが分かりました。

この一日の様子を親御さんに写真でお届けしたところ、皆様からそれぞれコメントを頂きました。その中のお一人のコメントです(ご本人の了解を得ております)。

“昨日のアートの時間のお写真を見せてもらいました。子どもたちのお顔がキラキラしていて、集中して取り組んでいました。きっと脳内ネットワークが新しい刺激をたくさん受けていたに違いありません。面白そうな様子、ワクワクする気持ちが伝わってきました”

今、保育の質が問われています。その一つとして、子ども達に何かを教え、覚えさせることよりも、子ども達の考え、想い、したいことを私たち大人が邪魔せず、寄り添い、お手伝いすることで自信を持ってもらい、心満たされることで自分から色々なことに挑戦し、学ぶことが楽しくてしかたがない…という風になってもらえたらと願っています。またこれが育ちと言われるものだと思うのです。それには私たち大人が、もっともっと子ども達の気持ちを理解し、余計な言葉を発せず、暖かい心で包めることが求められています。それは非常に難しいことですが、追求し続けることが大事だとスタッフ一同思っています。

4月からは、浅羽聡美先生のワークショップを月一回開催して頂ける予定です。

園長 原田京子

2020年2月4日 アートの時間

浅羽聡美先生を招いて、アートの時間を楽しみました。保育園の「表現者たち」展facebookページでも紹介されています。

2020年2月 のんなだより🐟🌿

今年は暖冬ですが、2月は一年中で一番寒い月と言われています。陽ざしは強くなりましたが、風が冷たいので寒さがきびしく感じるからでしょうか。寒い中にも水温む月でもあり、春のおとずれを感じ少しウキウキする月でもあります。

お正月に子どもたちが風で熱を出したり胃腸炎になったりとご報告頂きました。親御様方、お正月にご苦労なさったのですね。子どもたちが直る頃、看病疲れの親御様にうつってしまったようです。私自身の子育て時を思い出し、親御様方がお気の毒で、またいとおしく思いました。そんな時は家事を後まわしにして、どうぞお子だけのんな保育園へ連れて来て下さい。

今、コロナウィルスによる新型肺炎が拡大し、日本でも発症しており心配です。これには特効薬がないそうで、個人の免疫力を高めておくことが大切だとのこと。それにはお医者さん曰く、暖かくして栄養、水分、睡眠をとること、特に質の良い睡眠をとって下さいとのこと。ごく当たり前のことなのですね。しばらくは人が集まり混雑する所へ行くことはなるべく控えた方がよいようです。のんなでもお子様一人ひとりの体調にあわせて園外に出るのを短縮したり、室内あそびにしたり調節しております。また、まだまだ感染症が流行る時期ですので換気に気をつけたり、玩具を洗ったり拭いたり、床を何度も拭くなど、気をつけて参ります。

免疫アップのための午睡は、0才児はまだおんぶ、抱っこでしか寝つかない子がほとんどですが、はじめから布団に寝る子も増え、また睡眠時間も延びて来ているので、日々の変化を親御さんにお知らせして共に喜び合っています。布団に自分から眠れるようになると、睡眠時間も長くなり、家に帰ってからの機嫌もよくなり、親御さんとの時間が楽しく過ごせるので、安定した生活リズムが出来るようです。

みかんグループ(1才児)のお兄ちゃん達が絵の具、クレヨンを用いてアーティストになり切っていると、きんかんグループ(0才児)が筆を横取りしたり、描いている絵をスルリと持って行くので、お兄ちゃんは柵で囲った個室?に逃げて制作に没頭します。きんかんグループの子達は柵に群がり、終わるまで観ています。そして終わると、お兄ちゃん達がやったように筆で机をたたいてみたり、紙を出してお兄ちゃんのマネのようなことをしています。お兄ちゃん達から沢山の刺激をもらっているのです。また、みかんグループのお兄ちゃん達は遊びをきんかんグループに邪魔されると、「ヤメテ、アッチニイッテ!!」と悲鳴をあげたりしますが、きんかんちゃんが泣いていると、「イイコ、イイコ」と頭をなでたり、悲しそうな顔をしてスタッフに知らせに来るなど、のんながファミリーらしくなって来ています。

園長 原田京子

2020年1月 のんなだより🎍

穏やかな三が日でした。元日の朝のTVで富士山からの御来光が映し出され、素晴らしかったので思わず手を合わせ、のんなに集うお子様達とご家族、スタッフの健康と幸せをお願いしてしまいました。

人生で一番発達の速い月令の乳児期に、10日間一日中ご一緒していかがでしたでしょうか。きっと日々の発見に驚かれたり、ご家族で喜ばれたり、それはそれは楽しいお正月休みだったかと存じます。

先月12月15日頃には、毎日見ていた神田川沿いの桜の木から葉が落ちてなくなりました。それでも例年に比べると遅くまで葉をつけていましたが、少し寂しさを感じました。近づいてよく見ると、春に鼻を咲かせるべく硬いつぼみが枝にビッシリついているではありませんか。自然の強さとありがたさを感じました。と同時に私達も厳しさを乗り越え次に進む強さを当たり前に持ちたい、お子様達にもそうあってほしいと思ったのです。

このところよくご父母様方から、お子様がのんなに来るようになって良くなった(落ちついた、絵本に集中するようになった、素直になった、ひとの話を聴くようになった等)の言葉を頂きます。それは私達にとって喜ばしく、最高に嬉しいことです。そして、前に読んだことのある記事を思い出します。

“猿はグループで生活するが、そのグループの大きさと脳の高次機能をつかさどる大脳皮質の容積の関係を調査した人類学者によると、グループが大きい方が大脳皮質の容積も大きくなる”、また“人間の文化を発達させてきた一番の要因は集団を作ったことで、グループの中で自分を守る、主張する、配慮することによって脳も工夫して情報処理をし発達する”というものです。

お子様達が意のままになるご家族と生活しているより、保育園に来て何人かに触れ刺激を受けることで、元々賢いお子様達の変化は速く、また自分の変化を嬉しく思っているようにみえます。どう変化(進化)するのかのベースになるのは、人的環境(のんなのスタッフ)だと思っています。広い心でお子様達の心を受け止め、寄り添う能力を持ちたいと願っています。この一年、より優しい心が授かるよう努力して参ります。『のんなに子を託して良かった』と言って頂けるように。

親御様とのんなスタッフが手をたずさえ、子育てを楽しめるよう、本年もよろしくお願い申し上げます。

園長 原田京子